デントリペアとは
特殊な技術と専門知識を要するデントリペア
デントリペアは、専用の特殊な工具を使って車のヘコミだけを速やかに修理する方法です。この施工方法はヨーロッパで生まれ、アメリカで技術が発展していきました。アメリカでは雹によって無数にできる小さなヘコミを、気軽に美しく直す技術として普及しています。
塗装を行わずにキレイに修復する特殊な技術と専門知識が必要です。大切なお車を美しい状態に回復できる技術を得るため、しっかり学んだうえで国際ライセンスを取得することが求められます。
デントリペアの修理方法
ヘコミは、ボディの鉄板が下へと伸びた状態です。特殊工具を利用して伸びた部分の裏側から丁寧に押し出し、元の状態へと回復させていきます。裏側から行うため、塗装をしなくても元のキレイな状態に戻ります。
ヘコミの状態によっては表側から叩く「ポンチング」という技術を併用することもありますが、パネルを傷付けないように行うので、こちらも塗装の必要はありません。表から引っ張る「プーリングツール」もありますが、技術の高いスタッフでないと扱えない高度な技術になります。
デントリペアの3つのメリット
01. 鈑金・パテ・塗装がいらない
板金塗装のように塗装して修復跡をわからなくする方法ではありません。塗装をして乾かすといった工程がないので、短期間かつ低コストで車修理ができます。ペイントレス修理は事故歴や補修歴に含めなくても良いので、下取りや売却をする際も有利に働きます。
02. 短時間で施工できる
鈑金塗装では塗装が必要となるので塗装の下地処理や乾かす時間がかかり、数日ほど車を預けなくてはならないケースも生じます。
デントリペアは塗装する工程がないため、短時間で施工が可能です。小さなヘコミなら1時間ほど、大きなヘコミでも平均2~3時間で修理できます。
03. 低価格でヘコミ修理できる
鈑金塗装と違って塗装の工程が省けて、部品やパーツの交換の必要も生じません。塗装費用や塗料・部品・パーツの代金も不要なので、低コストでの修理が可能です。気になる小さなヘコミを複数修理しても、お財布に優しいです。
デントリペアのデメリット
ヘコミの修理が基本で、深い傷や塗装剥げなどのダメージは修復ができません。また、バンパーなど樹脂パーツは直せません。車の構造上や安全性能の観点から、部品やパーツの交換が必要になるケースも対応ができません。
デントリペアで対応できるヘコミと対応できない損傷がある場合、複数の業者で修理を受けなくてはならない場合が生じます。
デントリペアと鈑金塗装の違い
「鈑金塗装」は鈑金と塗装をセットで施工することで、傷やヘコミを修理する技術です。ヘコミは鈑金技術で叩いたり引っ張ったりし、傷はパテと呼ばれる溶剤を埋め込んで直します。その後、塗装を行い修復跡が周囲の塗装をわからないようにする工法です。
「デントリペア」はヘコミ専門ですが塗装は行いません。塗装するために塗膜を剥がす必要もありません。そのためボディへのダメージを抑えつつ、短時間かつ低コストで修理が可能です。
デントリペア | 鈑金塗装 | |
料金 | 小さなヘコミなら10,000~30,000円程度。同じサイズなら鈑金塗装のほぼ半分。 | 部位や大きさにより異なりますが、数万円~数十万円になる場合があります。 |
作業時間 | 最短5分~平均2・3時間、最長でも当日施工完了。 | 小さなヘコミでもパテ整形と塗装が必要なため、数日~2週間かかる場合があります。 |
修理範囲 | ドアパンチなどの小さなヘコミに適しています。 | 広範囲のキズやヘコミ、塗装な必要な場合に適しています。 |
修理の流れ | 専用の工具を使って、ヘコミを裏側から押し戻して修理します。 | パテ整形と塗装作業を行い修理します。 |